Twitter微分論から見る、面接で問われる「私」の持つコンテンツ

だいぶ日が空いてしまいましたが、先日芦田宏直先生のTwitter微分論の講演を聴講しました。
自らの理解を深めるためのアウトプットとして、
講演の一部内容から、就活の面接で問われていることが何かということに結びつけてみました。
今回のエントリーは芦田先生の講演全体を包括していません。
それにあくまで私個人の解釈ですのでご容赦を。



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芦田先生はTwitter微分論の講演の導入部で、
・人間の格差や差別が生じるのは、長い時間をとって人間を観察する場合のこと。
・「いま、どうしてる」というように、人間を今=現在で切り取れば人間の格差はほとんどなくなる。
と述べていた。


つまり、時間的な微分を施す(人を短い時間で切り取る)と
「その人が〜〜である」という『属人性が解体』され、人を差別化することが出来なくなる。


そう、「短い時間ではその人が(他の人と比べて)どんな人かはわからない」のである。


私はつい最近まで就職活動を行い、多くの面接を経験した。
企業規模やエントリー数にも因るのだけど、一次面接などは受験者の持ち時間はとても短い。
中には5人の集団面接で全員で持ち時間5分(!)というものもあった。


だからといって、面接時間を長くすれば人や会場のコストが膨れ上がってしまう。
企業も(篩い落としが目的で無ければ)出来るだけ長い時間をかけ、受験者の本質を見極めたいのが本音のはず。
新卒で入社し定年で退職する場合、1人あたり数億円の「商談」になるわけだから。


では「短く微分化された時間内で」、「受験者の属人性を見極める」にはどうすればよいか。


答えは明白。その人のストックを問えばいい。


就職活動の中で、「どうして今までの経験をそんなに聞くの?今の私を見て!」と思った人は少なくないと思う。
確かに今現在どういう思いを持っているかも重要であるが、それでは差別化が出来ないのだ。
面接とは結局差別化が目的であるから、目的にそぐわない質問が為されないのも当然。


差別化するために、時間的に積分された「経験」を聞く。
それが現在と繋がっていないとしても、微分化された「今」よりも、その人がどういう人間であるかがわかるのだ。


だから面接時に話す自分のストックは、必ずしもインターハイで優勝した等の素晴らしい経験である必要はない。
もちろんそのような経験がある場合、大きな差別化要素であるから話すべきと思う。
しかしそのような経験のない一般的な大学生であっても「何も話す経験が無い」と嘆かずに、
過去自分らしい行動をした自分の経験(コンテンツ)を話せば大丈夫。
自分らしい行動を取ったことない人なんていないだろう。これなら誰だって話せる経験がある。


だからここで「スゴい経験が無いから」と言って、自分の熱い想いだけを面接で語っては駄目。
熱い想いを語りたければ、その想いの礎となっているストックを語るべき。


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以上のようなことを、芦田先生の微分論を聞いてぼんやりと考えたりしていました。
「自分らしい行動」は、自分1人では気付きにくい部分も多いと思うので、
両親や仲のいい友人に、恥ずかしがらずに1回聞いてみるといいと思います。
部活やサークルの先輩も、客観的に色々教えてくれるから良いですね。