エイベックスがしがみつく「マス」手法

3月21、22日に幕張メッセで開催された音楽フェス「GO!フェス」。
「ヒットチャートを実感」という訳の分からない宣伝文句で、どうなるか注目していたのだけど結果は問題ありまくりだった模様。
会場内はガラガラ、歌手の写真を撮るetc...
特にエイベックスが猛プッシュしていたGIRL NEXT DOORは「トイレタイム」と揶揄される始末。
そもそもガルネクって人気ある(≠売れてる)のか?
ガルネクやICONIQを例にとってエイベックスの猛プッシュ方法について少し考えてみようと思う。


エイベックスの「猛プッシュ」にはどんなものがあるだろうか。


ICONIQは登場してすぐ、人気女性誌12誌の表紙を飾り、CMでも強烈なビジュアルを印象付けた。
「DLすると得をする」という錬金術もビックリのキャンペーンで、着うたもウィークリーチャートで1位獲得。
ガルネクは大量のタイアップとスポットCMというエイベックスのお家芸でプロモーション。


どれもメインで使われているのはマスメディアなのだ。
言っておくが、マスメディア自体もそれを使うことも批判する気は毛頭無い。
問題はその使い方が時代に合ってないんじゃないか?ということだ。


エイベックスの手法はあくまで消費者を同一の嗜好を持つ集団として扱っている。
この辺りの話は広告関係の本ではよく出てくるところ。
特定の層をカテゴリー化、ラベリングして扱うことは、情報の双方向性が強まった現在では有効な手段とは言えない。
これは単にmixiTwitterが流行ったという意味ではなく、消費者にとって情報・メディアが再配置されたということ。
だから考えを変えないままTwitter使ってPRしても改善はしないだろうな。


宣伝とは勿論、消費者の生活に入っていくものでなければならない。
だから消費者の情報の扱い方に合わせて伝え方を変えていく。
これは当たり前のことだと思う。


その当たり前が出来ていないんだ。
確かに10年くらい前までは有効な手法だった。
Hysteric Blueというグループのデビュー曲は、大量のスポットCMで成功を収めたいい例。
しかし今はもう通用しない。
むしろ10年前と同じ方法が通用すると、本当に思っていたのだろうか?



ネットの使い方にも疑問が残る。


今回、調査のためガルネクのオフィシャルサイトを除いてみた。
いきなりポップアックのブロック報告が出た後、音楽が流れてくじけそうになるも各コンテンツを調査。
そして愕然とした。
日記のコンテンツは本人ブログとスタッフブログがあるのだが、
最新の1件以外は有料携帯サイトに登録しないと見れないのだ。
なんでスタッフブログが有料コンテンツやねん。


他にも最新情報の雑誌・ラジオの欄が空白で、載っているのはエイベックスがお金を出したコンテンツ情報だったり、
プロフィール文に謎の空白が混じっていたり(余所からの転載の証拠!)。
トップページこそ豪勢っぽいのだが各コンテンツが薄くユーザーのActionを誘発しない。


つまりネットは課金させるための入り口程度の認識で、ガルネク自体のPRには力を入れていない。
これでは絆は作れずファンは増えないと思われる。


以上から、エイベックスは90年代の売り方に今もしがみついたままという結論に私は辿り着いた。
もちろんそれだけが理由ではないと思うが、人気が出ないのもしょうがないのかもしれない。


GIRL NEXT DOORとは「親しみのある女の子」という意味であるらしいが、
身近さを感じさせる要素が無いというのは皮肉な結果だ。